こんにちは、COです。
貸借対照表の目的や大まかな見方は、前回お伝えしました。
まだご覧になっていない方はコチラ!
-
決算書・財務諸表って何?初心者向けに構造と読み方を解説!
こんにちは、COです。皆さんは、決算書や財務諸表、読めますか?会社のお偉いさんが参加しているMTGに参加した際、何を言っているのかわからない…という経験はありませんか?決算書(=財務諸表)を読める・理 ...
続きを見る
貸借対照表(BS)は、実際には文字と数字の羅列です。
イメージは分かっていても、その中に記載されているものが何なのかわからなければ、理解できません。
今回は、貸借対照表の代表的な項目について、実例をもとに確認していきたいと思います。
貸借対照表(BS)の内訳

一般的な貸借対照表は、このようなバランスになるケースが多いです。
とはいえ、実際の貸借対照表はこのような箱が5つ並んでいるわけではありません。
これらの箱は、金額の多寡を表しており、実際はその内訳が細かく記載されています。
実際に、2020年度のトヨタの貸借対照表を見てみましょう。

出展:https://global.toyota/jp/ir/financial-results/
だいぶ文字と数字が羅列されていますよね…。
パッと見ただけでは、ぼんやり眺めることしかできません…。
ただ、前回お伝えした構造「流動資産」「固定資産」「流動負債」「固定負債」「純資産」を頭に入れ、内訳項目をざっくり理解すれば、大筋を読み解くことができます。
今回は2020年度の実績を見ますので、右側の「2021年3月31日」の列をご確認ください!
代表的な項目の紹介
各項目に記載される代表的なものを解説します。
全部というわけにはいかないので、多くの企業で記載されているメインどころの項目を簡単に紹介します。
流動資産
現金および現金同等物
いわゆる現金です。
口座や会社の金庫にある現金です。
営業債権及びその他の債権
主に、売掛金とされるものです。
売掛金とは、商品を販売したものの、まだ代金を集金していない売上をさします。
企業間取引(BtoB)の世界では、基本的に商品納品後に、代金を翌月15日や末日などをリミットに、相手方に支払いを要求します。
前回伝えた通り、貸借対照表は年度末時点での資産・負債の保持状況ですので、例えば、3月31日に100万円の商品を販売し、4月末までに支払いを要求している状態であれば、貸借対照表では「売掛金」に100万円が計上されます。
無事4月末に入金されれば、売掛金から100万円が消え、現金に100万円が加算されます。
金融事業に関わる債権
簡単に言えば、銀行のような金貸しを行っている場合、1年以内に回収する分を流動資産に、1年以降に回収する分を固定(非流動)資産に計上します。
棚卸資産
簡単に言うと、在庫です。
店舗や倉庫に存在する商品在庫は、企業の資産となります。
売れれば現金化できるため、流動資産扱いになります。
在庫の量や単価に応じて、大きくなりますね。
固定(非流動)資産
土地、建物
そのまま、土地や建物です。
自社ビルや工場の土地及び建物、レストラン業であれば、店舗の土地や建物などが計上されます。
なお、土地や建物を自社で保持せず、賃貸で借りている状況であれば、ここには計上されません。
機械装置
製造業にみられる項目ですが、トヨタであれば、車を製造する機械です。
本業の本丸ですので、金額も他の項目に比べ大きいですね。
減価償却累計額及び減損損失累計額
減価償却についてはここで書ききるのが難しいので、別途紹介しますね。
流動負債
営業債務及びその他の債務
先ほど紹介した、「営業債務及びその他の債権」の債務(借金)バージョンです。
材料品などを仕入れたものの、支払が完了していない金額などをさします。
3/31に仕入れとして材料品が納品されたが、支払はその時点でまだ完了していない状況です。
有利子負債
そのまま、利子付きの負債です。
銀行からの借り入れなどが、まさにここに記載されます。
ただし、1年以内に返済が必要な有利子負債は「流動負債」へ、1年以降に返済を行うものは、固定(非流動)負債へ計上します。
未払費用
さまざまなケースがありますが、例えば何等かのサービスを契約している場合、支払時期の前に決算期を迎えてしまうと、「契約(利用開始)は始まっているものの、支払が完了していない状態」となりますので、このようなものが未払費用などに計上されます。
保険などがわかりやすいです。
また、給与なども同様で、毎月末締め翌月15日払いだった場合、3月末時点では1か月分の給与未払い状態となります。
固定(非流動)負債
有利子負債
先ほど流動負債で述べた通り、銀行借り入れなどの金額のうち、1年以上先に返済期限が来るものです。
純資産
資本金
こちらも別途解説しますが、企業が株主から過去調達した資金の累計額です。
株式発行や増資をすることにより資金調達しますが、その結果資本金が膨れ上がります。
利益剰余金
企業が得た利益のうち、企業に内部留保として保持される分です。要は、貯金です。
トヨタの貸借対照表を図示
先ほどお見せしたトヨタの貸借対照表ですが、これらをわかりやすく箱で見せると、以下のようになります。

どうでしょう?
単純に分類して書き分けただけなのですが、だいぶ見やすくなりませんか?
決算書類を目にすると、文字と数字の羅列でだいぶやる気を失いますが、上記のようなイメージを思い描きながら見ると、意外とバランスが頭に入ってきます。
まとめ
今回は、資産・負債・純資産の代表的な項目を紹介しました。
なんとなく、自分でも読めそうな気になってきませんか?
私もまだまだ、分析できるようなレベルではないですが、一緒に財務視点を養っていきましょう♪